子吉川レガッタ2013に向けて(14)
リギングのポイント.

数あるスポーツの中でも,ローイングはいろいろな道具を使う.
道具を巧みに使うところが,理工系の人たちにも愛される所以だろう.
そしてどの道具も高価である.

市民レガッタで使われるナックル艇は百万円くらいする.
軽自動車が1台買えるくらいの値段である.
国産のバイクであれば新車で買える.
滑走艇のシェル艇になると2百万円近くする.
普通車が買える.ハーレーも買える.

ドイツのエンパッハ社が製造するエイトは4百万円.
BMWに手が届きそうなくらいのお値段である.
ボート選手なら,いつかはエンパに乗りたい.

さて,百万円のボートでも,そのまま乗っては漕ぎにくい.
漕手の体型に合わせて調整する.
この調整をリギングという.

リギングは奥が深い.
リギングだけでも様々な方法論がある.
そしてリギングは,レース前に,素早く正確に完了しなければならない.
理工系の人には,腕の見せ所だろう.

通常のリギングは,陸上で艇の水平を保った状態で行う.
リガースプレッドやワークハイト,ローロック(クラッチ)角から調整を始める.
足を固定するストレッチャも調整する.
オールもピポッドを変えてインボードを調整する.

しかし,5分間間隔でレースが行われる子吉川レガッタでは,ここまでリギングできない.
桟橋に接岸した状態で,ストレッチャの位置を調整するくらいになる.
ストレッチャは,レールが前後端に当たらない位置にする.
レールを動かす方法もある.
だが,漕手の間隔や艇の重量バランス,オールの前後角を考慮すると,ストレッチャを動かして調整する方がよい.

ナックルのレールは短く,前後端とも当たってしまう場合がある.
身長が180cm以上あれば確実に当たる.
足が長かったり,体が柔らかい場合なども当たる場合がある.
このような場合は,フォワードを犠牲にする.
つまり,前端は当たっても後端は当たらないようにする.
これは,後端が当ってシートが外れる,というリスクを回避するためである.

レース中にシートが外れることは,市民レガッタではよく見かける.
シートが外れてしまうと,確実に漕げなくなる.

外れたシートを取り付けようとしても,艇上ではけっこう難しい.
シートには,レールからの浮遊を防ぐための金具が付いている.
この金具があるので,レールの端から下向きの角度を付けて押し込まないと取り付けられない構造になっている.
着座位置の関係から,自分のシートの取り付けは難しい.
ただ,後ろの人の手を借りれば,比較的簡単に取り付けられる.
でもレース中にそんなことは頼めない.
したがって,シートを外した漕手は,ほぼ再起不能となる.

ということで,市民レガッタでのリギングは,ストレッチャの位置を確実に調整しよう.
新艇と旧艇で若干の違いはあるものの,自分の最適位置を覚えておけば,リギングは瞬く間に完了する.

| ボート | 09:10 | comments (x) | trackback (x) |

  
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